こんにちは、こぴちよあです。
今回も思い出編です。良かったら、お付き合いください。
駐在員の妻はルー大柴る⁈
日本人のコミュニティとの繋がりも、向こうで生活する上で大事でした。ナーサリーで知り合った日本人のお母さん達が中心になり、曜日を決めて週に1度は交代交代で家を提供していました。
特にキンダーガーテンの時は、日本人に飢えていた息子にとって、日本語の通じる仲間と過ごせる時間は、ある意味癒しの時間でした。
その間、親たちはというと、家の中や裏庭で飛び跳ねている子供達をしり目にお茶をしつつ、おしゃべりにいそしんでいました。
そうした会話の中で気づいたことがありました。
自分自身もそうでしたが、向こうで生活していると、日本人同士の会話がなぜかルー大柴ってしまうんです。日本語での会話中に、ちょいちょい英単語が混ざってしまうのです。
今思えば、かなりの割合でみんなルー大柴っていました。もしかしたら駐在員妻のあるあるだったのかもしれません。
ちょいちょい出ていた言葉ですぐに思い出した英単語がpick upです。「子供をpick upする時間だから、またね」と言った感じで使っていました。
他にもたくさんあったはずなんですが、どっぷり日本生活につかっているうちに忘れてしまいました。まぁ、歳のせいもあるのかもしれませんが、思い出すことが出来ません。
そんな状況を目の当たりにしていたからか、当時の息子が私に話す時に、英単語を混ぜた日本語で話すことが時々ありました。
しかも明らかに生活に密着しているからこそ出る単語だった為、最初聞いた時はドキッとしました。
どんな英単語だったか、皆さんは想像がつきますでしょうか?
アメリカで生活しているからこその英単語
それはgermとspreadでした。
私が食事前にテーブルを拭いていたある日のことでした。
「お母さん、Ms.〇〇が言ってたよ。そんなことするとgermがspreadしちゃうって。」私が除菌スプレーをせずに、水拭きしていたことが気になったのでしょう。
今でこそ、除菌タオルで拭いていますが、当時はアメリカに住んでいたものの、生活習慣は変わっていなかったため、水洗いした台布巾で拭くのが常でした。
※Ms.〇〇とは先生のことです。ご存じかもしれませんが、向こうでは先生という肩書で個人を呼びません。Mrs. 、Mr. あるいはMs. という敬称を苗字に付けて呼びます。
「germはバイキン」「spreadは広げる」という意味です。
学校生活をしてる中で、実際に何度も耳にした言葉だったのでしょう。それを実際に使いながら、少しずつ自分のものにしていったということが、この例でもわかります。
息子の口から聞いた衝撃的な英単語
他にもインパクトを受けた単語がありました。child abuse(児童虐待)です。
child abuseという単語を息子の口から聞いた時のエピソードは、今でも忘れることが出来ません。
私自身、余裕がなかったともあって、そのストレスから他愛のないことにも関わらず、息子を大声で怒鳴ったことがありました。要は、イライラして息子に当たってしまったんです。恥ずべき話です。
そんな時、息子が急にリビングの窓を閉め始めるではありませんか。
突然取った彼の行動が理解できず、怒鳴りながら聞いた所、彼は健気にもこう言ったんです。
「窓が開いてるから、お母さんの怒鳴った声が外に聞こえるかと思って。」「それでchild abuseかもしれないって思われて、911(ナインワンワン)されたら、お母さんがpoliceに連れていかれるかもしれないから。」と真顔で答えたのです。
近隣に日本語がわかる人は居ませんでした。そのため、訳の分からない言語で、しかも大声が聞こえたらと息子が心配になり、反射的にとった行動でした。
怒鳴り声が聞こえる⇒児童虐待⁈⇒警察に通報と言った図式が、すぐさま浮かんだことにも驚きましたが、そんな健気な息子に意味もなくあたって怒鳴った自分が恥ずかしく、すぐさま息子を抱きしめながら平謝りをしたのでした。
もう一つの衝撃的な英単語
それは「divorce(離婚)」でした。向こうでは当時から多くあったことが、息子の口から出たことでもわかると思います。
今から25、6年前のことですが、アメリカでは日本に比べて離婚率も高く、実際に息子のクラスメートにも親が離婚した子もいたようでした。
また私達が帰国をする前に起こった悲劇だったのですが、息子を弟のように可愛がってくれたお向かいの息子さんのご両親も離婚してしまったのです。
その直後、彼が自暴自棄になってしまった姿を息子は目の当たりにし、非常にショックを受けていました。
そんなこともあり、息子にとってはインプットしたくないけれどしてしまう英単語と言えたのかもしれません。
ある時、ちょっとした口喧嘩を夫としていたのを聞いていた息子が、心配そうにいったのです。「お母さん、divorseしないよね?」と。
きっと息子にとっても、お向かいさんの離婚がトラウマになっていたんだろうと思います。
当人同士にとっては些細な口喧嘩に過ぎなかったのですが、私達が想像している以上の不安を息子に与えてしまったことを、改めて反省したのでした。
最後に
5、6歳の時に、もしも息子が習い事として学ぶ英語だったならば、あえて教わるような単語ではなかったと思います。
言葉の良しあしにかかわらず、生活しているが故に、年齢を問うことなく知る言葉だったんだろうと思うと、なんだか切ない気持ちになりました。
また長くなってしまいました。今回はここで終わります。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。